宮古島観光情報
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福里地下ダムとは
宮古島は隆起サンゴの琉球石灰岩でできているため、水を透しやすい地質である上、平坦な地形であることから川や湖がありません。島民は沖縄の本土復帰までの長い間、水の確保に大変な苦労をしてきました。農業用水は降水に頼っていましたが、夏の台風の雨に頼る側面が強く、4年に一度は干ばつに見舞われるくらい不安定な状況でした。 この課題を解決すべく建設されることになったのが、宮古島の地質を活かした地下ダムです。
地質は大きく3つに分かれています。深層部は、150万年以上前に形成された島尻層で不透水の泥岩となっています。その上は琉球石灰岩で、サンゴ・貝殻等が堆積して形成された50m程度の岩の層。地表面は島尻マージという60cm程度の赤土の耕土層になっています。
さらに 本土復帰後の地下水調査によって宮古島南東部には複数の断層が確認されたので、これら断層と不透水の島尻層とによっていくつもの地下谷が形成されていることがわかりました。つまり、海へと流出する地下水を止水壁によって堰き止めれば、地下谷に水を貯めることができる地下構造なのです。
地下ダムを建設し、貯まった水をポンプで汲み上げて農業用水に利用しようと構想されたわけです。 宮古島で計画された地下ダムは世界でも前例がない規模でしたので、課題の洗い出しが必要なことから、まずは実験的に皆福地下ダムが整備されることになりました。地下調査を経て工事に1年半かけて1979年に完成しましたが、この実験の知見を踏まえて施工方法が確立し、1988年から1993年には砂川地下ダムが、1994年から1998年には福里地下ダムが整備されたのです。
なお、規模の小さい類似の地下ダムであれば、古代ローマ時代にも建造されたとされています。国内では地下ダムの源流ともいえる岡山県和気町の「鏡の州用水」が最古のもので、生活用水の確保のため長崎市野母崎樺島町に建設された「樺島地下ダム」が国内初の建設事例とされています。
地下ダム施設の概要
地下ダム名 |
皆福地下ダム |
砂川地下ダム |
福里地下ダム |
総貯水量(千㎥) |
700 |
9,500 |
10,500 |
堤高(m) |
16.5 |
50.0 |
27.0 |
天端標高(m) |
33 |
31 |
46 |
堤長(m) |
500 |
1,677 |
1,790 |
福里地下ダムの行き方
地下ダム資料館に隣接しているので、こちらを目的地にします。 宮古空港からですと、県道195号線を南東に進み、野原越の交差点を右折して県道78号線・国道390号線で城辺福里地区まで車でおよそ20分。国道390号線沿いの福里バス停(東平安名崎方面行き)の50m先を右折し、地下ダム資料館の施設案内標識に従い進むこと約5分で到着します。
福里地下ダムでの遊び方
福里地下ダムは、文字通り止水壁も貯められた水も地下に隠れていますが、その一部分を地下ダム資料館に隣接する水位水質監視施設で見ることができます。実際に厚さ50センチほどの止水壁と、貯水されている上流側と下流側の地下水を見ることができます。来所者向けには観測値を表示する電光表示が設置されていて、外気温、水温、貯水量、水深などの情報が表示されるようになっています。この水位水質監視板は、太陽光パネルを電源としていて、8文字と6文字を2列で表示しています。その下には福里地下ダムの概要がわかる説明板が設置されています。ここを管理する中央管理所では、地下水位、水質と越流量などの実測・確認を行っています。
実際に目で確認できる範囲が狭いため、地表ダムのようなスケール感が湧かないかもしれません。ただ、地表ダムと比較して、地下ダムには次の5つの特徴があります。「貯めた水が蒸発しにくい」、「ダムの決壊がなく安全」、「ダムを造っても生活拠点は変わらない」、「水温が安定している」、「アオコなどが発生しにくく衛生的」であることです。 宮古島の地下ダムがもたらした農業への貢献は大きなもので、ぜひ地下ダム資料館でその構造、技術を学んでほしいものです。入館料はかかりますが、一見の価値ありです。 また、地下ダム資料館ではダムカードを入手できる場所となっています。ダムカードとは、ダムの広報活動の一環として、2007年度から国土交通省と独立行政法人水資源機構が管理するダムにおいて配布が始まったものです。福里地下ダムのほか、建設中のものを含め全部で4種類のカードを入手することができます。ただし、皆福と砂川地下ダムには、現場に行った証拠写真を窓口に提示することが必要です。撮影ポイントを確認して、休館日を避けて行ってみてください。
かんがい排水施設とその効果
砂川・福里2つの地下ダムの建設とともに、水を汲み上げる取水施設、貯水タンク6ヶ所、各地区の畑へと配水を行う延長134.2kmの用水路、加圧機場2ヶ所、そして水管理施設の建設も行われました。また、さとうきび畑でスプリンクラーが散水しているのを見かけますが、こうした散水施設の整備も行われ、作業の省力化に貢献しています。 地下水によって宮古島の農業は干ばつ被害から解放され、サトウキビの安定生産だけではなく、野菜、花き、熱帯果樹など高収益作物の生産も可能になりました。
福里地下ダム付近の施設
地下ダム資料館
2003年に福里地下ダムの中央管理所に隣接して開設されました。この地下ダム資料館では、ダムの構造や技術などを文字だけでなく、映像、解説で学べます。他にも宮古島の地層模型を再現されており、大人も子供も楽しめる宮古島にとって重要な施設です。
皆福地下ダム(地下ダム公園)
福里地下ダムから北東1km程度のところにあります。整備されてから年数が経っていることもあって、案内板などの劣化が見受けられるようですが、のんびりと過ごせる空間となっています。ダムカードを手に入れたい人は証拠写真が必要ですので、地下ダム資料館で確認してから撮りに行くとよいでしょう。
メガソーラー展望台
七又海岸近くにある沖縄電力のメガソーラー。そんなサトウキビ畑広がる景色の中にメガソーラー展望台はあります。駐車場もあるので東平安名崎へ向かう際の休憩スポットにもなります。ただ、観光スポットというほどではないです。
福里地下ダムの詳細
所在地 |
沖縄県宮古島市城辺福里1645-8(MAPで見る) |
アクセス |
宮古空港から車で24分 |
駐車場 |
あり |
トイレ |
あり |
営業時間 |
- |
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