宮古島髄一のパワースポット「通り池」とは?パワースポットで楽しめる人気のツアーもご紹介
目次
通り池とは
沖縄本島から約300キロの南西に浮かぶ宮古諸島は、宮古島、伊良部島、下地島、多良間島、水納島、池間島、来間島、大神島の8つで形成されている島です。
また、通り池とは伊良部島に隣接する下地島にある観光地を指します。
吸い込まれるような深い青色の水を湛えた2つに並んだ池が、周りの海の色との違いで神秘的な景観を形作っているのです。
このうち海側の池は、直径約75メートルで水深は約50メートルで、内陸側の池は直径約55メートルで水深は約40メートルです。
この2つの池は実は地下でつながっており、これが「通り池」の名前の由来となっています。
今回は宮古島の通り池について、ご紹介させていただきます!
市街地から通り池への行き方
通り池のある下地島へは、かつて車で宮古本島の平良港からフェリーで伊良部島の佐良浜港へと渡り、そこから伊良部島と下地島との狭い水路に架かる6本の橋のいずれかを利用して通り池へ行くのが一般的でした。
しかし、2015年(平成27年)に、宮古本島と伊良部島との間に無料で渡れる橋としては日本最長となる3540メートルの伊良部大橋が開通すると、宮古島の繁華街の平良市街地から伊良部大橋経由で車のみ(フェリーは伊良部大橋の開通とともに航路廃止)で、約30分で行くことができるようになりました。
ほかの行き方としては、宮古本島からではなく、みやこ下地島空港から車でアクセスするという方法もあります。
みやこ下地島空港へは、本州の東京(成田)からジェットスター、東京(羽田)および神戸からスカイマークがそれぞれ就航しています。
みやこ下地島空港から通り池までは、車で約10分です。
また、通り池には、大型観光バスも駐車できる無料の駐車場があります。
駐車場にはトイレもありますので、散策前に済ませておきましょう。
駐車場から通り池までは、鬱蒼とした緑のトンネルのなかをくぐり南国ムードの漂う遊歩道を歩いて約5分です。
通り池の魅力
通り池の最大の魅力は、単に景勝地というだけでなく宮古島の八重干瀬(やびじ)と並んで人気のダイビングスポットであるということです。
通り池のダイビングは、ボートで一旦外洋に出て海に潜り、そこから海底の洞窟を経由して池面に浮上するというのが最大の特徴です。
そのため、ダイビングは5月から10月の海の状況がいい日に限られます。
水中では深さによって水温や塩分濃度の変化が大きいため、イソマグロ、ネブリブカ、ナポレオンフィッシュ、オニイトマキエイ、カスミチョウチョウウオなど、多種多様な生物が棲息しており、これらの生物との邂逅も楽しみのひとつです。
なお、通り池ダイビングは最大深度40メートルを超える洞窟ダイビングあり、上級者向けのコースであるため、初心者の体験ダイビングではない点に注意しましょう。
天然記念物・国の名勝にも指定される美しい景観
通り池は、2006年(平成18年)、国の名勝および天然記念物にも指定されています。
元々通り池は、海岸にあった鍾乳洞が、波によって浸食されて大きくなり、天井が崩落して形成されたドリーネと呼ばれる陥没に海水が浸入して出来たものです。
コバルトブルーに光輝く池の水面は、神秘的な雰囲気が漂い、見る者を魅了します。
また、通り池は別名「龍の目」といわれ、龍は世界の全てを見通す目を持つといわれることから下地島の聖地のひとつでもあります。
潮位による水色の変化
通り池のもう一つの特徴として、潮位による水色の変化が挙げられます。
具体的には、海とつながっていることが理由で潮の干満とともに水位が変化し、サーモクライン(水温躍層)と呼ばれる水温の違う水が接してできる境界面が現れます。
これにより、水色が青と緑にクッキリと分かれている部分があるのです。
ダイビングではそのグラデーションの中を泳ぎますが、これに太陽光が加わると様々な色調に変化するため、言葉にならないほどの幻想的な体験が出来るのです。
今語り継がれる人魚伝説
神秘的な景観を見せる通り池には、いくつかの伝説が残されており、その1つが「ユナイタマ伝説」です。
その昔、この付近に住む漁師が海霊の化身であるユナイタマ(ジュゴンまたは人面魚)を釣って食べようとしました。
慌てたユナイタマは海に向かって救助を求めると、大津波が起こりユナイタマを海に連れ去ります。
その際、津波に襲われた2軒の家の跡地には2つの大きな穴が開き池となり、今の通り池が誕生したというものです。
ほかにも、継子と取り違えて実子を池に投げ捨ててしまった罪深い母の逸話、「継子伝説」などが伝わっています。
通り池の近くで楽しめるアクティビティ
下地島は、マリンスポーツのメッカといわれています。
ここからは、通り池の近くで楽しめるアクティビティをご紹介します!
ダイビング
下地島エリアには、数多くのダイビングスポットがありますが、中でも人気ナンバーワンといわれるのが、みやこ下地島空港のすぐ近くにある「魔王の宮殿」です。
宮殿内には3つの部屋があり、地形派ダイバーなら一度は潜りたいダイビングスポットといえるでしょう。
水深は約25メートルで、それほど難しいポイントでないことも人気の理由です。
最初に、珊瑚の環礁の中にある「エントランスホール」から宮殿内を開始します。
魔王がいるといわれている「メインホール」は、天井の開口部からブルーの光が降り注ぐ幻想的な部屋になっています。
さらに進むと最終地点の「寝室」があります。
このストーリー性のある地形は、まるでロールプレイングゲームです。
ライトを照らして真っ暗な通路を進んでいくときは、探検家のような気分も味わえます。
時期的には、北東の風が吹く10月以降、秋から冬がおすすめです。
南西の風が吹く夏はポイント周辺の波が高くなるため、潜るのが難しいとされています。
シュノーケリング
下地島のシュノーケリングでは、通り池から車で約5分の「中の島ビーチ」がおすすめです。
下地島の南西岸にあるこの遠浅のビーチは抜群の透明度を誇り、シュノーケリング初心者から中級者まで幅広く楽しむことができます。
海中では、「ファインディング・ニモ」のモデルになったカクレクマノミやきらびやかな珊瑚を間近に見ることができるため、竜宮城のような光景に感動すること間違いありません。
なお、中の島ビーチには、トイレやシャワー、更衣室等の施設はありません。
トイレやシャワーは、中の島ビーチから車で10分の伊良部島「渡口の浜」の商業施設を利用するようにしましょう(シャワー、更衣室は有料)。
SUP
SUPはスタンドアップパドルの略で、ハワイのロコサーファーの間で火がつき、いまや定番のマリンスポーツになりました。
通常のサーフボードよりも大きなボードの上に立って、パドルを漕ぎながら海上散歩を楽しみます。
通り池から車で約10分のみやこ下地島空港では、空港沖のラグーンでSUPスクールが開催されており、ビギナーでも気軽に参加できます。
タイミングがあえば、空港を離発着する飛行機を至近距離で見ることもできるため、大迫力の景観に感動もひとしおです。
こちらも、トイレやシャワー、更衣室等の施設はありませんので、トイレはみやこ下地島空港、シャワーは伊良部島「渡口の浜」の商業施設を利用するようにしましょう。
通り池の近くの人気スポット
ここからは、通り池近くの人気スポットをご紹介します。
どれもおすすめスポットばかりなので、ぜひチェックしてみてください!
鍋底池
鍋底池は、下地島の人気スポットである通り池の少し奥にあります。
通り池の遊歩道が途切れた先に位置し、通り池と同様にドリーネ陥没池で、池の底で外海とつながっています。
見どころ・楽しみ方
通り池とともに島の聖地とされ、ウッドデッキの終点から約50メートル、ゴツゴツとした鍾乳石の上を歩いた先にあります。
波が荒い時に鍋の底が沸騰しているかのように泡立つことから、鍋底池と名付けられました。
鍋底池は、火の神、水の神、風の神の3神が住んでいるという聖なる場所で、池の内部に波によって反響した音が母胎の中で聴く音に似ているということから、生まれ変わりの池、胎内回帰の地とされています。
ぜひ通り池と鍋底池で、下地島の神秘の景観に触れてみてください。
市街地からの行き方
宮古島、平良市街地から伊良部大橋を経由し、車で約30分です。
みやこ下地島空港からは車で約10分です。
通り池の無料駐車場が利用できます。
下地島巨石(帯石)
下地島巨石は通り池の南、下地島西岸の海岸台地にある巨石です。
下地島巨石(帯石)として、宮古島市の史跡となっています。
見どころ・楽しみ方
江戸時代の1771年(明和8年)に起きた八重山地震で発生した津波(明和の大津波)により、大きな岩が陸に打ち上げられました。
大きさは高さ約12メートル、周囲約60メートル、重さ推定数十トンという巨岩です。
岩に帯びを締めたようなくびれがあるため、帯石と呼ばれるようになりました。
岩の前には鳥居があり、下地島の人々から家内安全・大漁祈願などの祈願所として崇められています。
市街地からの行き方
宮古島、平良市街地から伊良部大橋を経由し、車で約30分です。
みやこ下地島空港からは車で約10分です。
無料駐車場を利用できます。
17END
国内唯一の民間ジェット機のパイロット訓練飛行場としてつくられた、みやこ下地島空港の滑走路先端の誘導灯にある観光スポットです。
「17END」という名称は、北を0度とした時に、滑走路が170度の方角を向いていて、滑走路の識別番号が17であることからきています。
さらに、航空用語で滑走路の末端を「ランウェイエンド」と呼んでいることに由来します。
見どころ・楽しみ方
滑走路先端の誘導灯まで行くには、通り池方面から西側のアクセスが便利です。
車で滑走路の西側を進んで行くと、通行止め箇所の手前に10台ほどの駐車スペースがあり、ここから17ENDまでは約700メートル、徒歩約10分の距離です。
車以外では、みやこ下地島空港ターミナルでレンタサイクルを借りるというアプローチもおすすめ。
現在は既述のように定期便が就航しているため、時間を調べておけば、飛行機とコバルトブルーの海に向かって伸びる誘導灯の写真を撮ることができます。
ただし、飛行機は必ず海側からやってくるのではなく、風向きによっては滑走路の反対側から降りてくることもあります。
予備知識として、基本的に夏は17END側、冬は反対側から降りてくる傾向が多いということを覚えておくと便利です。
ほかの見どころとしては、通称17ENDビーチと呼ばれる、干潮時に姿を現すビーチが有名です。
この幻の絶景ビーチを目当てに、17ENDに訪れる方も多くいらっしゃいます。
市街地からの行き方
宮古島、平良市街地から伊良部大橋を経由し、車で約35分です。
無料駐車場を利用できます。
まとめ
今回は宮古島の通り池について、ご紹介させていただきました。
下地島は、2015年(平成27年)に宮古本島との間に伊良部大橋が開通するまで、また2019年(平成31年)にみやこ下地島空港に定期便が就航するまでは、訪れることが難しい観光地でした。
しかし、今では宮古エリアを代表する観光スポット、通り池や17ENDをひと目見ようとレンタカーや観光バスが激増しており、宮古諸島に訪れる観光客の流れも変わりつつあります。
これから宮古諸島の旅を検討している際は、ぜひ下地島の観光スポットをコースに加えてみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました。